- 解約してなくても7つの原因でアナウンスが流れる可能性
- 着信拒否とは異なる明確なサインがある
- 料金未納は2〜4ヶ月で強制解約、早めの確認が重要
電話をかけた際に「おかけになった電話番号は現在使われておりません」というアナウンスが流れて困惑した経験はありませんか。相手が解約したと思い込んでしまいがちですが、実は解約していないのにこのアナウンスが流れるケースは意外と多いのです。
本記事では、解約していないのに「現在使われておりません」アナウンスが流れる7つの原因と、着信拒否との違い、具体的な対処法まで徹底解説します。大切な連絡を逃さないために、ぜひ最後までご覧ください。
「現在使われておりません」アナウンスとは
電話をかけた際に聞こえる「おかけになった電話番号は現在使われておりません」というアナウンスは、NTTをはじめとする通信キャリアが提供する自動音声ガイダンスです。このメッセージは、発信者側にのみ聞こえる仕組みになっています。
通常、電話番号が解約されている場合に流れるアナウンスですが、実際には解約以外にも複数の原因でこのガイダンスが再生されることがあります。通信キャリアの公式サイトや各種サポートフォーラムでも、この現象に関する問い合わせは年々増加傾向にあります。
解約してないのに「現在使われておりません」が流れる7つの原因
解約していないにもかかわらず、このアナウンスが流れる主な原因を7つ詳しく解説します。それぞれの状況を理解することで、適切な対処法を見つけることができます。
1. ダイヤルミス・番号間違い
最も多い原因が単純な番号の入力ミスです。特に携帯電話から固定電話へかける際や、市外局番が必要な通話では、番号の一部が抜けていたり、誤って入力していたりするケースが頻発しています。
例えば、「03-1234-5678」にかけるつもりが「0312345678」と市外局番のハイフンを入れ忘れたり、最後の数桁を間違えたりするだけで、存在しない番号として認識され、このアナウンスが流れます。電話帳登録されている番号でも、古い情報のままになっている可能性があるため、一度確認することをおすすめします。
2. 市外局番の入力漏れ
固定電話や、異なる地域の携帯電話にかける際には市外局番が必須です。市外局番を省略すると、システムが異なる番号として認識してしまい、「現在使われておりません」アナウンスが流れることがあります。
| 発信元 | 発信先 | 市外局番 | 必要性 |
|---|---|---|---|
| 携帯電話 | 固定電話 | 必要 | 必ず市外局番から入力 |
| 固定電話(同一市内) | 固定電話 | 不要 | 市内通話は省略可 |
| 固定電話(異なる市外) | 固定電話 | 必要 | 市外局番から入力 |
| 携帯電話 | 携帯電話 | 不要 | 080/090から入力 |
特に、同じ地域内での通話に慣れている場合、他地域への発信時に市外局番を忘れやすい傾向があります。東京(03)、大阪(06)、名古屋(052)など、主要都市の市外局番を確認してから発信しましょう。
3. プッシュ入力の間隔が長すぎる
電話番号を入力する際、ボタンを押す間隔が長すぎると、途中までの番号で自動的に発信されてしまうことがあります。これは通信システムが「入力完了」と判断してしまうためです。
例えば、「090-1234-5678」と入力する際、「090-1234」まで入力した後に長時間待つと、その時点で発信されてしまい、存在しない番号として「現在使われておりません」アナウンスが流れます。特に固定電話のプッシュボタンでは、この現象が起こりやすい傾向にあります。
対策としては、電話番号を一気に素早く入力することが重要です。電話帳に登録してワンタッチ発信する方法も効果的です。
4. 料金未納による利用停止・強制解約
携帯電話や固定電話の料金を滞納すると、段階的に利用制限がかかり、最終的には強制解約となります。料金未納の初期段階では「お客様の都合によりおつなぎできません」というアナウンスが流れますが、長期滞納で強制解約に至ると「現在使われておりません」に変わります。
上記のグラフが示すように、料金滞納から強制解約までは約2〜4ヶ月の期間があります。この間に各キャリアから督促状や利用停止の通知が届きますが、それらを無視し続けると最終的に強制解約となり、電話番号自体が使えなくなります。
NTTドコモ、au、ソフトバンクなど大手キャリアでは、滞納開始から約2ヶ月後に強制解約の通知が送られ、そこに記載された期日までに支払いがない場合に契約が解除されます。強制解約後は、料金を支払っても同じ電話番号を使用することはできません。
5. 通信障害の発生
通信キャリアの設備障害やシステムトラブルにより、一時的に「現在使われておりません」アナウンスが流れることがあります。2025年にも複数の大規模通信障害が報告されており、これらの際には正常な電話番号でも接続できない状況が発生しました。
例えば、2025年6月26日にはKDDI(au)で全国規模の通信障害が発生し、音声通話が利用できない状況となりました。また、同年9月16日にはNTT西日本で大阪・京都を中心に固定電話の障害が発生し、最大で約227万契約に影響を与えました。
通信障害が疑われる場合は、各キャリアの公式サイトやSNSで障害情報を確認することをおすすめします。通信障害は通常数時間以内に復旧することが多く、復旧後は正常に通話できるようになります。
6. 転送設定の不具合
企業や配送業者などで使用されている電話転送システムに登録された転送先番号が古い場合、このアナウンスが流れることがあります。宅配業者のドライバーに電話をかけた際、転送先の番号が既に変更されているにもかかわらず、システム上は古い番号のままになっているケースが典型例です。
この場合、発信者側では対処できないため、企業や組織の代表番号に連絡して転送設定の更新を依頼する必要があります。特にコールセンターや配送センターなど、転送機能を多用する業種では定期的なメンテナンスが重要です。
7. 端末の電源オフ・圏外(一部キャリア)
一部のキャリアや端末設定では、相手の端末が電源オフまたは圏外の状態でも「現在使われておりません」アナウンスが流れることが報告されています。特にドコモの一部プランやMVNO(格安SIM)では、この現象が確認されています。
通常、電源オフの場合は「電源が入っていないか、電波の届かない場所にいます」というアナウンスが流れますが、設定や契約内容によっては「現在使われておりません」に変わることがあります。この場合、時間を置いてかけ直すか、メールやSNSなど別の連絡手段を試すことをおすすめします。
「現在使われておりません」と着信拒否の違い
「現在使われておりません」アナウンスと着信拒否は、全く異なる状況を示すアナウンスです。この違いを理解することで、相手の状況をより正確に判断できます。
| 項目 | 現在使われておりません | 着信拒否 |
|---|---|---|
| アナウンス内容 | 「おかけになった電話番号は現在使われておりません」 | 「おかけになった電話番号への通話は、おつなぎできません」(ドコモ) 「お客様のご希望によりおつなぎできません」(au) |
| 呼び出し音 | 呼び出し音なし、即座にアナウンス | 呼び出し音なし、即座にアナウンスまたは即切断 |
| 主な原因 | 番号間違い、解約、料金未納、通信障害 | 意図的な着信ブロック設定 |
| 設定の有無 | 設定不可(システム側の判断) | 受信者が設定可能 |
| 解決方法 | 番号確認、料金支払い、時間を置く | 別の連絡手段を使う |
着信拒否の場合、キャリアの着信拒否サービスを利用していると「おつなぎできません」という明確なメッセージが流れます。一方、「現在使われておりません」は電話番号自体が無効である状態を示すため、意味が大きく異なります。
また、スマートフォンの端末設定で着信拒否している場合は、呼び出し音が鳴らずに即座に通話が終了したり、「お呼びしましたがお出になりません」というアナウンスが流れたりすることがあります。これらのアナウンスの違いを理解することで、相手が意図的に拒否しているのか、システム上の問題なのかを判断する手がかりになります。
固定電話で「現在使われておりません」が流れるケース
固定電話特有の「現在使われておりません」アナウンスが流れる状況について解説します。携帯電話とは異なる注意点があります。
固定電話の解約・番号変更
固定電話が実際に解約されている場合や、番号ポータビリティで他社へ移行した際に旧番号にかけた場合、このアナウンスが流れます。NTT東日本・西日本の加入電話やひかり電話では、解約後すぐにこのアナウンスに切り替わります。
特に、企業や店舗の固定電話では、移転や統廃合に伴って番号が変更されることがあります。この場合、数ヶ月間は「番号が変更になりました。新しい番号は…」というアナウンスが流れることもありますが、期間終了後は「現在使われておりません」に変わります。
料金未納による一時停止
固定電話の料金を滞納した場合も、携帯電話と同様に段階的な措置が取られます。NTTの固定電話では、支払期日から約1ヶ月で利用停止となり、その後も支払いがない場合は強制解約となります。
利用停止の初期段階では「お客様の都合により…」というアナウンスですが、強制解約後は「現在使われておりません」に変更されます。固定電話の場合、携帯電話よりも気づきにくいため、定期的に請求書を確認することが重要です。
ナンバーディスプレイ未契約の影響
固定電話でナンバーディスプレイ契約をしていない場合、着信時に相手の番号が表示されません。しかし、これは発信側のアナウンスには影響しないため、「現在使われておりません」が流れる直接的な原因にはなりません。
ただし、着信拒否機能付き電話機を使用している場合、ナンバーディスプレイ契約がないと着信拒否機能が正常に動作しないことがあります。この場合、発信者側には「お繋ぎできませんでした」など、機種特有のアナウンスが流れることがあります。
「現在使われておりません」が流れた時の対処法
このアナウンスが流れた場合、以下の手順で原因を特定し、適切に対処しましょう。慌てずに一つずつ確認することが重要です。
1. 電話番号を再確認する
最も基本的かつ重要な対処法は、電話番号の再確認です。電話帳に登録されている番号でも、以下の点をチェックしましょう。
| 確認項目 | チェックポイント |
|---|---|
| 市外局番 | 固定電話の場合、市外局番(03、06など)が含まれているか |
| 桁数 | 携帯:11桁(090/080/070)、固定:10桁(市外局番含む) |
| ハイフンの位置 | ハイフンが正しい位置にあるか、余分なスペースがないか |
| 数字の確認 | 似た数字(0とO、1とl、8と9など)の間違いがないか |
| 最新性 | 登録から時間が経っている場合、番号が変更されていないか |
電話番号は必ず正確な情報源(名刺、公式サイト、本人からの連絡)と照合しましょう。口頭で聞いた番号やメモした番号は、聞き間違いや書き間違いの可能性があります。
2. 別の連絡手段で確認する
電話がつながらない場合は、以下の代替手段で相手に連絡を取り、状況を確認しましょう。
- メール・SMS: 電話番号の変更や解約の有無を確認
- LINE・SNS: 普段使っているメッセージアプリで連絡
- 共通の知人: 相手の最新の連絡先を知っているか確認
- 企業・組織の代表番号: 個人の携帯がつながらない場合
相手が料金未納で強制解約されている可能性もあるため、別の連絡手段で状況を把握することが重要です。特に重要な用件の場合は、複数の手段を並行して試すことをおすすめします。
3. 時間を置いてかけ直す
通信障害や一時的なシステムエラーの可能性がある場合は、30分〜1時間程度時間を置いてから再度かけ直してみましょう。通信障害は通常数時間以内に復旧することが多いため、時間を置くことで解決する場合があります。
また、相手の端末が電源オフや圏外だった場合も、時間を置くことで通話できるようになります。ただし、何度かけても同じアナウンスが流れる場合は、番号間違いや解約の可能性が高いため、別の対処法を試す必要があります。
4. キャリアの障害情報を確認する
複数の相手に電話がつながらない場合や、同じキャリアの番号で同様の現象が起きている場合は、通信障害の可能性があります。各キャリアの公式サイトで障害情報を確認しましょう。
| キャリア | 障害情報ページ |
|---|---|
| NTTドコモ | https://www.docomo.ne.jp/info/network/ |
| au(KDDI) | https://www.au.com/information/notice_mobile/network/ |
| ソフトバンク | 公式サイトの「お知らせ」ページ |
| 楽天モバイル | 公式サイトの「障害・メンテナンス情報」 |
SNS(特にX/旧Twitter)で「#通信障害」「#キャリア名」などのハッシュタグで検索すると、リアルタイムの障害情報を確認できることもあります。ただし、SNS上の情報は公式発表を待って確認することをおすすめします。
5. 固定電話からもかけてみる
携帯電話からつながらない場合は、固定電話から発信してみることも有効です。一部のMVNO(格安SIM)や特定の契約プランでは、特定のキャリア間で一時的に接続できないケースが報告されています。
また、相手が特定の番号のみ着信拒否設定している可能性もあるため、別の電話番号から発信することで状況を確認できます。ただし、相手のプライバシーに配慮し、非通知設定での発信は避けましょう。
料金未納で強制解約された場合の影響
料金未納による強制解約は、電話が使えなくなるだけでなく、様々な深刻な影響を及ぼします。特に以下の3つの影響は重要です。
信用情報への影響
携帯電話本体を分割払いで購入している場合、2〜3ヶ月の滞納で信用情報機関に事故情報が登録されます。これは俗に「ブラックリストに載る」と呼ばれる状態で、以下のような影響があります。
上記のグラフが示すように、信用情報に傷がつくと各種ローンやクレジットカードの審査がほぼ通らなくなります。この影響は5〜10年間継続するため、将来のライフプランに大きな支障をきたす可能性があります。
ただし、通話料金のみの滞納であれば信用情報機関には登録されません。しかし、クレジットカード払いにしている場合は、クレジットカードの延滞として記録される可能性があるため注意が必要です。
他社での契約も困難に
強制解約後、未払い金が残っている状態では、TCA(一般社団法人電気通信事業者協会)やTELESA(一般社団法人テレコムサービス協会)に不払い情報が登録されます。これらの情報は携帯キャリア間で共有されるため、他社でも新規契約が困難になります。
現代社会において携帯電話は必需品であり、就職活動や賃貸契約、各種サービスの利用に電話番号が必要不可欠です。携帯電話が契約できないことで、社会生活に大きな支障をきたす可能性があります。
法的措置・財産差し押さえのリスク
強制解約後も支払いを放置すると、債権回収業者や弁護士から督促が届き、最終的には裁判所から支払督促や訴状が送られてきます。それでも無視し続けると、給与や銀行口座の差し押さえが実行される可能性があります。
給与が差し押さえられた場合、勤務先に通知が行くため、職場に滞納の事実が知られてしまうリスクもあります。こうした事態を避けるためにも、料金の支払いが困難な場合は早めに携帯キャリアに相談することが重要です。
死亡による解約と「現在使われておりません」
残念ながら、契約者が死亡した場合も携帯電話は解約となり、「現在使われておりません」アナウンスが流れるようになります。この場合、以下のような流れで契約が終了します。
契約者の死亡後、家族や相続人がキャリアに連絡して解約手続きを行います。手続きには死亡診断書や戸籍謄本などの書類が必要です。解約手続きが完了すると、その電話番号は使用できなくなり、「現在使われておりません」アナウンスに切り替わります。
突然連絡が取れなくなり、このアナウンスが流れるようになった場合、相手に不幸があった可能性も考慮する必要があります。共通の知人や家族に確認するなど、慎重に状況を把握することをおすすめします。
予防策:アナウンスを避けるためにできること
「現在使われておりません」アナウンスを避けるため、日頃から以下の対策を心がけましょう。
電話帳の定期的な更新
スマートフォンや固定電話の電話帳は、少なくとも年に1回は見直しましょう。特に以下の連絡先は優先的に確認が必要です。
- 長期間連絡を取っていない知人・友人
- 企業や店舗の代表電話(移転や統廃合の可能性)
- 高齢の親族(施設入居などで番号変更の可能性)
- 数年前に登録した携帯番号(キャリア変更やMNPの可能性)
年賀状や暑中見舞いの際に連絡先を確認する習慣をつけると、電話帳の情報を最新に保ちやすくなります。
料金の支払い状況を確認
自分の携帯電話や固定電話の料金支払いは、必ず毎月確認しましょう。特に以下の点に注意が必要です。
- 口座残高の確認: 引き落とし日前に十分な残高があるか
- クレジットカードの有効期限: カード払いの場合、有効期限切れに注意
- 請求額の確認: 予想外の高額請求になっていないか
- 督促通知への対応: 通知が届いたら即座に対応
各キャリアの専用アプリやWebサイトで、請求額や支払い状況をリアルタイムで確認できます。定期的にチェックする習慣をつけることで、強制解約のリスクを大幅に減らすことができます。
複数の連絡手段を確保
重要な連絡先については、電話番号だけでなく複数の連絡手段を登録しておきましょう。
- メールアドレス(携帯キャリアメールとフリーメール両方)
- LINE・SNSのアカウント
- 自宅や勤務先の固定電話番号
- 家族や関係者の連絡先
電話がつながらなくなった場合でも、他の手段で連絡が取れるようにしておくことで、重要な用件を逃すリスクを減らせます。
まとめ
「解約してないのに現在使われておりません」アナウンスが流れる原因は、番号間違いや通信障害など多岐にわたります。慌てずに電話番号を再確認し、別の連絡手段を試すことが重要です。
料金未納による強制解約は、信用情報への影響など深刻な問題を引き起こすため、支払いが困難な場合は早めにキャリアに相談しましょう。また、日頃から電話帳の更新や料金の確認を習慣づけることで、トラブルを未然に防ぐことができます。
重要な連絡先については複数の連絡手段を確保し、いざという時に備えておくことをおすすめします。
