- iOS14以降でセキュリティ強化のため導入された許可制度
- 許可すると家庭内デバイス連携が便利に、拒否すると一部機能制限
- 設定からいつでも変更可能で信頼できるアプリのみ許可が安全
iPhoneやiPadでアプリを開いたとき、突然「ローカルネットワーク上のデバイスの検索および接続を求めています」というメッセージが表示されて戸惑ったことはありませんか。
このメッセージはiOS14以降に導入されたセキュリティ機能で、アプリが家庭内のWi-Fiネットワークに接続された他のデバイスにアクセスする際にユーザーの許可を求めるものです。許可すべきか迷っている方も多いでしょう。
この記事では、ローカルネットワーク許可の意味から、許可した場合のメリット・デメリット、適切な設定方法まで、わかりやすく解説します。
ローカルネットワーク許可とは何か
ローカルネットワークの基本概念
ローカルネットワークとは、自宅や職場などの限られた範囲内で複数のデバイスが接続されたネットワークのことです。一般的には、同じWi-Fiルーターに接続している端末同士が構成するネットワークを指します。
このネットワークには、スマートフォンやタブレットだけでなく、パソコン、プリンター、スマートテレビ、スマートスピーカー、ゲーム機、ネットワークカメラなど、さまざまなデバイスが接続されています。ローカルネットワークを利用することで、これらのデバイス間でデータのやり取りや連携が可能になります。
iOS14で導入されたセキュリティ強化
Appleは2020年にリリースしたiOS14において、ローカルネットワークアクセスに対するユーザー許可制度を導入しました。これは、アプリが勝手に家庭内ネットワークの情報を収集したり、他のデバイスに接続したりすることを防ぐためのプライバシー保護機能です。
この変更により、アプリがローカルネットワーク上のデバイスを検索したり接続したりする際には、必ずユーザーの明示的な許可が必要になりました。YouTube、LINE、Chrome、Twitterなどの主要アプリでも、特定の機能を使用する際にこの許可が求められます。
上のグラフからわかるように、iOS14以降では、アプリがローカルネットワークにアクセスする際に必ずユーザーの許可が必要になりました。これにより、ユーザー自身がアクセスを管理できるようになり、プライバシー保護が大きく強化されました。
メッセージが表示される仕組み
アプリを起動したり特定の機能を使おうとしたりすると、システムが自動的にダイアログを表示します。このダイアログには、アプリ名とともに「ローカルネットワーク上のデバイスの検索および接続を求めています」というメッセージが表示されます。
この仕組みはAppleのWWDC2020で発表されたLocal Network Privacyポリシーに基づいており、BonjourやmDNSといったネットワーク検出技術を使用するすべてのアプリに実装が義務付けられています。開発者は、アクセスを求める理由をわかりやすく説明する必要があります。
ローカルネットワーク許可を求める理由
デバイス連携機能の実現
アプリがローカルネットワークへのアクセスを求める最も一般的な理由は、家庭内の他のデバイスと連携するためです。たとえば、YouTubeアプリでこの許可を与えると、同じWi-Fiに接続されているスマートテレビやChromecastを検出して、スマホの画面をテレビに映すことができます。
同様に、プリンターアプリでは家庭内のネットワークプリンターを検出して印刷できるようになり、音楽アプリではスマートスピーカーへの音楽配信が可能になります。これらの便利な機能は、ローカルネットワークアクセスの許可なしには実現できません。
アプリ別の利用目的
主要アプリがローカルネットワークアクセスを求める具体的な理由を見てみましょう。
上のグラフが示すように、ローカルネットワークアクセスの利用目的は多岐にわたります。キャスト機能やミラーリングが最も多く30%を占め、次いでプリンター連携が25%、スマートホーム機器の制御が20%となっています。
YouTubeでは、動画をテレビやChromecastで視聴するために必要です。LINEでは、ビデオ通話の品質向上やLINE Pay決済端末との接続に使用されます。Chromeでは、Chromecastへのコンテンツ配信や、ローカルサーバーへのアクセスに利用されます。Twitter（X）でも、メディアコンテンツの共有や外部デバイスへの配信機能で使われることがあります。
Chromeの最新セキュリティ強化
2025年にGoogle Chromeバージョン141以降では、ローカルネットワークアクセス許可モデルが新たに導入されました。これにより、Webサイトがユーザーのローカルネットワークやlocalhostデバイスにリクエストを送信する際には、明示的なユーザー許可が必要になります。
この変更は、プライベートネットワークを標的としたクロスサイトリクエストフォージェリ攻撃やフィンガープリント攻撃を防ぐための重要なセキュリティ対策です。Microsoft Edgeもバージョン142で同様の機能を実装予定であり、ブラウザ業界全体でセキュリティ強化の動きが加速しています。
許可した場合のメリットとデメリット
許可することで得られる利便性
ローカルネットワークアクセスを許可する最大のメリットは、家庭内のデバイス連携がスムーズになることです。具体的には次のような便利な機能が使えるようになります。
スマートフォンの画面をテレビに映して大画面で動画を楽しめるキャスト機能が利用可能になります。また、家庭内のプリンターをケーブル接続なしで使えるワイヤレス印刷も実現します。スマートホーム機器の遠隔操作や、ネットワークストレージへのファイルアクセスもできるようになります。
さらに、ビデオ通話の品質向上も見逃せません。ローカルネットワーク経由で通信することで、インターネットを経由するよりも遅延が少なく、安定した通話が可能になります。
| 機能カテゴリ | 具体例 | 利用シーン |
|---|---|---|
| メディア配信 | Chromecast、Apple TV、Fire TV Stick | 動画・音楽をテレビやスピーカーで再生 |
| プリンター連携 | AirPrint対応プリンター | 写真や書類のワイヤレス印刷 |
| スマートホーム | Google Home、Amazon Alexa | 照明・エアコン・カメラの制御 |
| ファイル共有 | NAS、デジタルフォトアルバム | 写真・動画の一括バックアップ |
| ゲーム | ローカルマルチプレイ | 同じWi-Fiの友人と対戦 |
上の表に示したように、ローカルネットワーク許可によって実現する機能は非常に多岐にわたります。日常生活をより便利にするためには、信頼できるアプリに対して適切に許可を与えることが重要です。
セキュリティリスクと注意点
一方で、ローカルネットワークアクセスを許可することには一定のセキュリティリスクも存在します。特に、信頼性の低いアプリに許可を与えてしまうと、個人情報の漏洩やデバイスの不正利用につながる可能性があります。
悪意のあるアプリがローカルネットワークにアクセスすると、接続されている他のデバイスの情報を収集できます。具体的には、デバイス名、IPアドレス、MACアドレス、ネットワーク上で提供されているサービス名などが取得される可能性があります。
また、家庭内機器構成を分析して、ユーザーのプロファイルを作成し、ターゲティング広告に利用されるリスクもあります。さらに、古い暗号化方式を使用しているWi-Fiルーターの場合、通信データを傍受されたり、Wi-Fiそのものを乗っ取られたりする危険性もゼロではありません。
プライバシー保護の重要性
Appleがこの機能を導入した背景には、ユーザーのプライバシー保護を強化するという明確な目的があります。ローカルネットワーク経由で収集される情報は、ユーザーの生活パターンや家庭環境を推測する材料になりえます。
たとえば、どの時間帯にどのデバイスが稼働しているかを分析すれば、在宅時間や生活リズムがわかってしまいます。また、接続されているデバイスの種類から、ユーザーの趣味嗜好や経済状況まで推測される可能性があります。
このような情報は、アプリ開発者や広告業者にとって価値があるため、不適切に収集・利用されるリスクがあります。だからこそ、ユーザー自身がどのアプリに許可を与えるかをコントロールできる仕組みが重要なのです。
許可しない場合の影響
制限される機能の範囲
ローカルネットワークアクセスを許可しないと、アプリの一部機能が使えなくなります。ただし、インターネット経由の通信は引き続き可能なため、アプリの基本的な機能には影響しません。
たとえば、YouTubeアプリで許可しない場合、スマホ上での動画視聴は問題なく行えますが、テレビへのキャスト機能が使えません。LINEでは通常のメッセージや通話は可能ですが、ビデオ通話の品質が低下したり、LINE Pay決済端末との連携ができなくなったりします。
上のグラフが示すように、ローカルネットワークアクセスを拒否すると、基本機能は100%利用できますが、キャスト、プリント、スマートホーム制御、ファイル共有などの機能は完全に使えなくなります。P2P通信の一部機能も大幅に制限されます。
代替手段の有無
ローカルネットワークアクセスを許可しなくても、代替手段で同様の機能を実現できる場合があります。たとえば、Chromecastが使えない場合は、AirPlayやHDMIアダプターを使ってテレビに画面を映すことができます。
プリンターとの接続も、Bluetooth対応モデルであればローカルネットワークを経由せずに印刷できます。また、クラウドストレージサービスを利用すれば、ローカルネットワーク経由でなくてもファイル共有が可能です。
ただし、これらの代替手段には遅延が増加する、対応デバイスが限られる、追加の機器が必要といった制約があります。利便性を考えると、信頼できるアプリには許可を与えた方が快適に使えるでしょう。
アプリごとの影響度
ローカルネットワークアクセスを拒否した場合の影響は、アプリによって大きく異なります。
影響が大きいアプリとしては、動画配信アプリ（YouTube、Netflix、Amazon Prime Video）、プリンターアプリ、スマートホーム制御アプリ、ファイル管理アプリ、ゲームアプリなどが挙げられます。これらのアプリは、ローカルネットワーク機能が核心的な価値を提供しているため、許可しないと大きく制限されます。
一方、影響が小さいアプリとしては、SNSアプリ（一部機能を除く）、ニュースアプリ、メールアプリ、Webブラウザ（キャスト機能を使わない場合）などがあります。これらは主にインターネット経由で機能するため、ローカルネットワークアクセスがなくても問題なく使えます。
ローカルネットワーク設定の変更方法
iPhoneでの設定手順
iPhoneやiPadでローカルネットワークの設定を変更する方法は非常に簡単です。設定アプリから数タップで変更できます。
まず、ホーム画面から「設定」アプリを開きます。次に、「プライバシーとセキュリティ」をタップします。その中にある「ローカルネットワーク」の項目を選択すると、ローカルネットワークアクセスを求めたことのあるアプリの一覧が表示されます。
各アプリの右側にトグルスイッチがあり、緑色（オン）になっていれば許可されている状態、グレー（オフ）になっていれば拒否されている状態です。このスイッチをタップするだけで、いつでも設定を変更できます。
Androidでの設定手順
Androidでも同様の機能が提供されています。設定方法はメーカーやOSバージョンによって若干異なりますが、基本的な流れは共通しています。
設定アプリを開いて「アプリ」または「アプリケーション」を選択します。対象のアプリを見つけてタップし、「権限」または「アクセス許可」を選択します。その中に「付近のデバイス」や「ローカルネットワーク」という項目があれば、そこから許可・拒否を設定できます。
Android 14以降では、ローカルネットワーク保護プロジェクトによってより細かい制御が可能になっており、アプリごとに詳細な権限管理ができるようになっています。
macOSでの設定と注意点
macOSでもiOSと同様のローカルネットワークアクセス制御があります。特にmacOS 15 Sequoia以降でChromeを使用する場合、定期的に許可を求めるダイアログが表示される問題が報告されています。
設定方法は、システム設定を開いて「プライバシーとセキュリティ」、「ローカルネットワーク」の順に進みます。ここでアプリごとの許可状態を確認・変更できます。
ただし、Chromeの場合はアップデートのたびに設定項目が増殖するバグが発生することがあります。一度「許可しない」を選択してしまうと、Chromecastへのキャストができなくなるなど、重大な問題が発生することがあるため、注意が必要です。
安全な許可判断のガイドライン
信頼できるアプリの見極め方
ローカルネットワークアクセスを許可するかどうかを判断する際、アプリの信頼性を見極めることが最も重要です。以下のポイントをチェックしましょう。
まず、開発元が明確かどうかを確認します。App StoreやGoogle Play Storeの公式ストアに掲載されているアプリは、基本的な審査を通過していますが、それでも開発元の情報をチェックすることが大切です。大手企業や有名な開発者のアプリは、一般的に信頼性が高いと言えます。
次に、アプリのレビューと評価を参考にします。多くのユーザーから高評価を得ているアプリは、安全性が高い傾向にあります。ただし、レビューの内容も読んで、セキュリティやプライバシーに関する問題が報告されていないかを確認しましょう。
また、アプリのプライバシーポリシーを確認することも重要です。どのような情報を収集し、どのように使用するのかが明記されているアプリは、透明性が高く信頼できます。
必要性の判断基準
アプリがローカルネットワークアクセスを求める理由が、機能の実現に本当に必要かどうかを判断することも大切です。
たとえば、動画配信アプリがテレビへのキャスト機能を提供している場合、ローカルネットワークアクセスは明らかに必要です。プリンターアプリが家庭内のプリンターを検出するためにもアクセスが必要です。これらは正当な理由と言えます。
一方で、単純なメモアプリやカレンダーアプリがローカルネットワークアクセスを求める場合、その必要性は疑問です。アプリの説明文や公式サイトで、なぜアクセスが必要なのかを確認し、納得できない場合は許可しない方が安全です。
上のフローチャートは、ローカルネットワーク許可の判断プロセスを示しています。開発元の信頼性と機能の必要性という2つの基準をクリアした場合のみ許可するのが、安全な判断基準です。
最小権限の原則を守る
セキュリティの基本原則の一つに「最小権限の原則」があります。これは、必要最小限の権限のみを与えるという考え方です。ローカルネットワークアクセスも例外ではありません。
すべてのアプリに無差別に許可を与えるのではなく、本当に必要なアプリにだけ許可を限定しましょう。また、一度許可したアプリでも、使わなくなったら設定から許可を取り消すことをおすすめします。
定期的に設定画面を確認して、どのアプリに許可を与えているかを把握しておくことも大切です。不要な許可があれば、その都度取り消していくことで、セキュリティリスクを最小限に抑えることができます。
主要アプリ別の推奨設定
YouTube、Netflix等の動画アプリ
動画配信アプリは、テレビへのキャスト機能を使う場合のみ許可が必要です。スマートフォンやタブレットの画面で直接視聴する分には、ローカルネットワークアクセスは不要です。
YouTubeでは、Chromecast、Apple TV、Fire TV Stickなどのデバイスに画面を映す際にアクセスが必要になります。Netflix、Amazon Prime Video、Disney+なども同様です。キャスト機能を使わない場合は、許可しなくても問題ありません。
推奨設定としては、自宅でキャスト機能を頻繁に使う場合は許可し、外出先で主に視聴する場合は拒否しておくのが良いでしょう。必要に応じて設定を切り替えることもできます。
LINE、Twitter(X)等のSNSアプリ
LINEでは、ビデオ通話の品質向上とLINE Pay決済端末との連携にローカルネットワークアクセスが使用されます。すべてのLINE機能に必須ではありませんが、これらの機能を使う場合は許可が推奨されます。
Twitter（X）では、メディアコンテンツの共有や外部デバイスへの配信機能で使われることがあります。ただし、通常のツイート閲覧や投稿には不要なため、基本的には許可しなくても問題ありません。
Instagram、Facebook、TikTokなどの他のSNSアプリでも、基本機能には影響しないケースが多いです。特定の共有機能やライブ配信機能を使う場合にのみ許可を検討しましょう。
Chrome、Safari等のブラウザアプリ
ブラウザアプリでは、Chromecastへのコンテンツ配信やローカルサーバーへのアクセスにローカルネットワーク権限が必要です。
Chromeでは、2025年のバージョン141以降で新しいセキュリティモデルが導入され、Webサイトごとに許可を求められるようになりました。通常のWeb閲覧には不要ですが、開発者がローカルサーバーでテストする場合や、家庭内のネットワーク機器にアクセスする場合は許可が必要です。
Safariも同様で、基本的なWeb閲覧には不要ですが、AirPlayを使って動画をテレビに映す場合などは許可が推奨されます。
プリンター、スマートホームアプリ
プリンターアプリやスマートホーム制御アプリは、機能の中核としてローカルネットワークアクセスを必要とするため、ほぼ必須で許可が必要です。
Canon、EPSON、HPなどのプリンターアプリは、家庭内のプリンターを検出して印刷するためにアクセスが不可欠です。許可しないと、プリンターが見つからず印刷できません。
Google Home、Amazon Alexa、Apple Homeなどのスマートホームアプリも同様です。照明、エアコン、ネットワークカメラなどの家電を制御するためには、必ずローカルネットワークアクセスが必要になります。これらのアプリは信頼性が高く、許可しても問題ないでしょう。
トラブルシューティング
許可したのに機能が使えない場合
ローカルネットワークアクセスを許可したにもかかわらず、期待した機能が使えない場合があります。この場合、いくつかの原因が考えられます。
まず、アプリの再起動を試してみましょう。設定を変更した後、アプリを完全に終了してから再度起動することで、新しい設定が反映される場合があります。iOS 18.6以降では即時反映されるよう改善されていますが、それ以前のバージョンでは再起動が必要です。
次に、iPhoneとターゲットデバイスが同じWi-Fiに接続されているかを確認します。デバイスが異なるネットワークに接続されていると、ローカルネットワークアクセスを許可していても通信できません。
また、Wi-Fiルーターの設定も確認が必要です。一部のルーターには「AP分離」や「ゲストモード」という機能があり、これが有効になっていると同じWi-Fi内でもデバイス間の通信がブロックされます。ルーターの設定画面で、LANブロードキャストが許可されているか確認しましょう。
設定が反映されない場合
設定画面で許可・拒否を切り替えたのに反映されない場合、以下の対処法を試してみてください。
まず、iPhoneの再起動を行います。設定の変更が正しく反映されない場合、デバイスを再起動することで問題が解決することがあります。電源ボタンと音量ボタンを長押しして、スライダーで電源をオフにし、再度起動してください。
次に、ネットワーク設定のリセットを試すことができます。「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」→「リセット」→「ネットワーク設定をリセット」の順に進みます。ただし、この操作を行うとWi-Fiパスワードが削除されるため、再入力が必要になります。
それでも解決しない場合は、アプリの再インストールを検討しましょう。アプリを削除して再度インストールすることで、ローカルネットワークアクセスの許可ダイアログが再表示され、改めて設定できます。
繰り返しダイアログが表示される問題
特にmacOSでChromeを使用している場合、ローカルネットワークアクセスの許可ダイアログが繰り返し表示されるという問題が報告されています。
この問題は、Chromeのアップデート方式が特殊で、既存のChromeを上書きせずに新しいバージョンをインストールするために発生すると考えられています。その結果、システム設定のローカルネットワーク項目にChromeの設定が複数表示され、すべてのトグルが連動してしまうという現象が起きます。
この問題を解決するには、システムの設定ファイルをリセットする必要があります。ただし、この作業にはSIP（System Integrity Protection）を一時的に無効化する必要があり、高度な技術知識が求められます。一般ユーザーの場合は、Appleの公式サポートに問い合わせることをおすすめします。
まとめ
ローカルネットワーク上のデバイス検索および接続の許可は、iOS14以降に導入されたプライバシー保護機能です。アプリが家庭内のWi-Fiネットワークに接続された他のデバイスにアクセスする際、ユーザーの明示的な許可が必要になりました。
許可することで、テレビへのキャスト、ワイヤレス印刷、スマートホーム機器の制御など、便利な機能が利用できるようになります。一方で、信頼性の低いアプリに許可を与えると、デバイス情報の収集やプライバシー侵害のリスクがあります。
適切な判断のためには、開発元の信頼性と機能の必要性を慎重に評価し、必要最小限のアプリにのみ許可を与えることが重要です。設定はいつでも変更可能なので、不要になったら許可を取り消しましょう。