- Androidスマートフォンはモバイルデータ通信でもシステムアップデートが可能であり、最新のAndroid 16では特にその機能が最適化されている
- キャリアや機種ごとに設定方法が異なるため、自分のスマートフォンに合った手順でモバイルデータ通信の設定を有効化する必要がある
- アップデート実行時はバッテリー消費が激しいため充電しながら行い、データ通信量を節約するためには月末の余りデータ活用や公共Wi-Fiの利用を検討すべきである
スマートフォンの重要なシステムアップデートの通知が来たけれど、自宅にWi-Fi環境がない、出先でWi-Fiに接続できない、あるいは不安定なWi-Fi環境しかない…そんな経験はありませんか?
多くのAndroidユーザーは「システムアップデートはWi-Fi環境でのみ可能」と思い込んでいますが、実はモバイルデータ通信を使ってもアップデートできるケースがほとんどです。この記事では、Wi-Fi環境がなくてもAndroidスマートフォンを最新の状態に保つ方法を詳しく解説します。
セキュリティパッチの適用や新機能の追加など、定期的なアップデートはスマートフォンを安全かつ快適に使い続けるために欠かせません。Wi-Fiがなくても、このガイドを参考にすれば、モバイルデータ通信を使って効率的にAndroidをアップデートできるようになります。
Wi-Fiなしでアップデートする前に知っておくべき基本知識

Androidスマートフォンのアップデート種類を理解する
Androidスマートフォンでは、主に3種類のアップデートが提供されています。システムアップデート(OSアップデート)はAndroid OSのバージョンアップや大規模な機能追加を含む更新で、通常は数百MB〜数GBのデータ容量が必要です。
セキュリティアップデートはセキュリティに関する修正のみを含む小規模な更新で、通常は数十〜数百MBのデータ容量です。そしてアプリアップデートはGoogle Playストアからダウンロードしたアプリの更新で、アプリによってサイズは異なります。
最新のAndroid 16(2025年3月時点でBeta 2が公開中)では、特にモバイルデータでのアップデートプロセスが最適化され、以前のバージョンよりも効率的になっています。
モバイルデータ通信でのデータ消費量と影響
アップデートのサイズは更新内容によって大きく異なります。小規模なセキュリティアップデートは約50〜300MB、中規模な機能アップデートは約300MB〜1GB、大規模なOSアップデートは約1〜3GB、アプリのアップデートは数MB〜数百MB(アプリによる)程度のデータを消費します。データ通信量に制限のある契約プランをお使いの場合は、大型アップデートを実行する前に残りのデータ量を確認することをおすすめします。
バッテリー消費とパフォーマンスへの影響
アップデートプロセスは、バッテリーを大量に消費する傾向があります。特にAndroid 16 Beta 2では、Pixel 9 Pro、Pixel 9、Pixel 8 Proなどの一部機種でバッテリー消費の問題が報告されています。安全にアップデートを完了するために、アップデート開始前に80%以上の充電状態を確保し、可能であれば充電器に接続した状態でアップデートを実行してください。またアップデート中はスマートフォンを使用せず、十分な空き容量(最低3GB以上)を確保しておくことも重要です。
キャリア別:Wi-Fiなしでのアップデート設定方法

ドコモでのモバイルデータアップデート手順
ドコモのAndroidスマートフォンでは、spモード契約が必要です。「設定」アプリを開き、「システム」または「端末情報」をタップしてから「システムアップデート」または「ソフトウェア更新」に進みます。「モバイルデータ通信を使用する」や「Wi-Fi以外の接続を使用」のオプションを有効にして、「アップデートを確認」をタップしてください。
ドコモ端末では、必ずspモード契約が必須であることに注意してください。またドコモの専用APNが正しく設定されていることを確認してください。一部の機種では「docomo Wi-Fi」サービスも活用できますので、外出先ではこちらの利用も検討してみましょう。
auでのモバイルデータアップデート設定
auのAndroidスマートフォンでは、基本的にモバイルデータ通信によるアップデートが標準で可能となっています。「設定」アプリを開き、「システム」または「端末情報」をタップしてから「システムアップデート」または「ソフトウェア更新」に進みます。「モバイルデータ通信を使用」のオプションがオフになっている場合は、これをオンにしてから「アップデートを確認」をタップしましょう。
au端末の場合、大容量プランを契約している場合でも、アップデートのための通信は通常のデータ通信としてカウントされます。auの「データチャージ」や「余ったデータ繰り越し」機能を活用すると、データ容量を効率的に管理できるので便利です。
ソフトバンクでのモバイルデータアップデート方法
ソフトバンクのAndroidスマートフォンでも、モバイルデータによるアップデートに対応しています。「設定」アプリを開き、「システム」または「端末情報」をタップしてから「システムアップデート」または「ソフトウェア更新」に進みます。「ダウンロード設定」または「更新設定」をタップし、「モバイルデータでダウンロード」オプションを有効にしてから「アップデートを確認」をタップしてください。
ソフトバンク端末では、ギガモンスターなどの大容量プランでも、大型アップデートを行う場合は残データ量に注意しましょう。また「+メッセージ」アプリを使用している場合、アップデート後に設定が初期化されることがあるため、事前に設定をメモしておくことをおすすめします。
格安SIM(MVNO)での更新設定と注意点
多くの格安SIMでも、モバイルデータでのアップデートが可能です。「設定」アプリを開き、「システム」または「端末情報」をタップしてから「システムアップデート」または「ソフトウェア更新」に進みます。「ダウンロード設定」または「モバイルデータ設定」に進み、「モバイルデータを使用」オプションを有効にしてください。
格安SIM利用時は、データ容量の制限が厳しい場合が多いため、月末や余りデータが多い時期にアップデートを行うと良いでしょう。一部のMVNOでは、システムアップデートに対する通信制限がある場合があります。また通信速度が低下した状態でのアップデートは時間がかかるため、速度制限にかかる前にアップデートすることをおすすめします。
機種別:Wi-Fiなしでのアップデート設定と手順

Galaxyシリーズの更新方法と特有の設定
Galaxy S23/S22シリーズの場合では、「設定」アプリを開き、下にスクロールして「ソフトウェア更新」をタップします。「ダウンロードとインストール」をタップし、設定メニューがある場合は「ダウンロード設定」をタップして「モバイルデータ通信を使用する」オプションをオンにします。「OK」またはダイアログの確認をタップした後、「ダウンロードとインストール」に戻り、アップデートを確認してください。
Galaxy Foldシリーズの場合では、「設定」アプリを開き、「ソフトウェア更新」をタップした後、メニューボタン(︙)をタップします。「設定」をタップし、「モバイルデータネットワーク経由で更新」をオンにした後、「ダウンロードとインストール」に戻り、アップデートを確認してください。
Galaxy端末では、OneUI(Galaxyの独自インターフェース)のアップデートでは、通常のシステムアップデートよりも大きなデータ容量が必要になることがあります。「Smart Switch」アプリを使用したPCからのアップデートも選択肢として検討してください。
Pixelシリーズの更新手順とバッテリー問題
Pixel 8/9シリーズの場合では、「設定」アプリを開き、下にスクロールして「システム」をタップします。「システムアップデート」をタップした後、右上の設定アイコン(⚙️)をタップして「Wi-Fi以外の接続を使用」をオンにします。「システムアップデート」画面に戻り、「アップデートを確認」をタップしてください。
Pixel端末では、特にPixel 9 Pro、Pixel 9、Pixel 8 Proでは、Android 16 Beta 2でバッテリー消費問題が報告されているため、必ず充電しながらアップデートすることを強くおすすめします。 また、Pixel Watchは2025年3月16日からWear OS 5.1を含むソフトウェアアップデートが配信中です。これもモバイルデータで実行可能ですが、スマートフォンと連携してアップデートされることを覚えておきましょう。
Xperiaシリーズの更新プロセスと特徴
Xperia 1/5/10シリーズの場合では、「設定」アプリを開き、「システム」をタップした後、「詳細設定」をタップします。「システムアップデート」をタップし、メニューボタン(⋮)をタップして「設定」を選びます。「モバイルデータでダウンロード」をオンにした後、システムアップデート画面に戻り、「アップデートを確認」をタップしてください。
Xperiaシリーズは特にカメラ機能に関する更新が多いため、重要な撮影の前にはアップデートを確認することをおすすめします。また「Xperia Companion」ソフトウェアを使用したPCからのアップデートも選択肢として検討してみましょう。
AQUOS/arrowsなど国内メーカー端末の更新特性
AQUOS/arrowsシリーズの場合では、「設定」アプリを開き、「端末情報」または「デバイス情報」をタップします。「ソフトウェア更新」または「システムアップデート」をタップし、「詳細設定」または「設定」をタップして「モバイルデータ通信を使用」オプションをオンにします。更新確認画面に戻り、「アップデートを確認」をタップしてください。
国内メーカーの端末は特にキャリア向けにカスタマイズされている場合が多いため、キャリアの制約に依存する部分があることを理解しておきましょう。おサイフケータイなどの日本特有の機能を使用している場合は、アップデート後に再設定が必要になることがあるので注意してください。
データ通信量を節約しながらアップデートするコツ

最適なタイミングとデータ残量の活用
データ通信量を節約するためには、アップデートのタイミング選びが重要です。月末に余っているデータ容量を有効活用するのが賢い方法です。「設定」→「ネットワークとインターネット」→「データ使用量」で現在のデータ使用状況を確認し、十分な残量があることを確認してからアップデートを開始しましょう。
またアップデート中に他のアプリがデータを消費しないよう、不要なアプリのバックグラウンド通信を制限しておくことも効果的です。深夜や早朝など、ネットワークの混雑が少ない時間帯を選ぶとダウンロードが速くなることもあるため、時間帯の選択も考慮してみてください。
Google Playアプリ更新設定の最適化
アプリの自動更新でデータを消費しないようにするには、Google Playストアアプリの設定を変更しましょう。Google Playストアアプリを開き、右上のプロフィールアイコンをタップします。「設定」→「ネットワーク設定」→「アプリの自動更新」の順にタップし、「Wi-Fi接続時のみ」を選択してください。これにより、アプリの自動更新はWi-Fi接続時のみ行われるようになり、モバイルデータの消費を抑えられます。
公共Wi-Fiスポットの効果的な活用法
モバイルデータの消費を避けるために、公共Wi-Fiスポットの活用も検討してください。多くのカフェやファストフード店、公共図書館では無料Wi-Fiが提供されています。また一部の公共交通機関でもWi-Fiサービスを提供していることがあります。キャリア提供のWi-Fiスポットとして、ドコモの「docomo Wi-Fi」、auの「au Wi-Fi SPOT」、ソフトバンクの「ソフトバンクWi-Fiスポット」なども活用できるでしょう。
ただし、公共Wi-Fiを使用する場合は、セキュリティ上のリスクにも注意が必要です。可能であればVPNを使用すると安全性が高まりますし、重要な個人情報を入力する操作は避けたほうが無難です。
データセーバー機能の活用
データ通信量を節約するために、「データセーバー」機能の活用も検討してください。「設定」→「ネットワークとインターネット」→「データセーバー」でオンにすると、バックグラウンドでのデータ使用を制限できます。
また、データ使用量を監視・制限できる専用アプリを利用するのも一つの方法です。さらに、Chromeなどのブラウザのデータセーバー機能を活用するとデータ消費を抑えられることもあります。
モバイルデータでアップデート中のトラブルと対処法

ダウンロード不能時の接続問題対策
アップデートがダウンロードできない場合は、まず接続状態を確認しましょう。「設定」→「ネットワークとインターネット」→「モバイルネットワーク」で接続状態を確認し、問題がある場合は「アクセスポイント名」でAPNが正しく設定されているか確認してください。
また、一度機内モードをオンにし、数秒後にオフにすることでネットワーク接続がリセットされることがあります。これで解決しない場合は、キャリアのサーバー混雑が原因かもしれないので、時間をおいて再度試してみることをおすすめします。
中断したアップデートの再開方法
アップデートが中断された場合でも心配いりません。再度アップデートを開始すると、多くの場合、中断したところから再開されます。中断の原因としてよくあるのがバッテリー残量不足ですので、十分な充電状態を確保してから再開してください。
また、デバイスの空き容量が不足している場合は、写真や動画、不要なアプリを削除して空き容量を増やしてから再試行してみましょう。電波状態が悪い場所では中断が起こりやすいため、電波状態の良い場所に移動してアップデートを再開するのも効果的です。
更新後のネットワーク接続問題の解決
アップデート後にモバイルネットワークに接続できない場合があります。この場合は、「設定」→「システム」→「リセットオプション」→「モバイルネットワークのリセット」を試してみてください。それでも解決しない場合は、SIMカードを一度取り出し、再度挿入してみると改善することがあります。
バッテリー消費問題への対応策
特にAndroid 16 Beta 2で報告されているバッテリー消費問題が発生した場合は、まずデバイスを再起動してみましょう。それでも改善しない場合は、「設定」→「バッテリー」→「バッテリー使用量」で消費の大きいアプリを確認し、必要に応じて制限するのが効果的です。バックグラウンドで動作しているアプリを確認し、不要なものを終了させることも消費削減に役立ちます。
アプリ互換性問題の対処方法
アップデート後に特定のアプリが動作しない場合は、Google Playストアでアプリのアップデートを確認してください。アプリもOSに合わせて更新されている可能性があります。アップデートがない場合は、アプリのキャッシュをクリアする方法も試してみましょう。「設定」→「アプリ」→該当アプリ→「ストレージ」→「キャッシュを消去」の順に進めば、キャッシュをクリアできます。それでも解決しない場合は、アプリを再インストールすると改善することがあります。
システム全体の不安定さへの対応
システム全体が不安定になった場合は、セーフモードで起動して問題が解決するか確認してみましょう。電源ボタンを長押しし、表示されるメニューから「セーフモード」を選択します。セーフモードで問題が解決する場合は、サードパーティ製アプリが原因である可能性が高いです。
システムキャッシュのクリアも効果的な対策ですが、機種によって手順が異なります。それでも解決しない場合は、初期化を検討する必要があるかもしれませんが、初期化を行う前に必ずデータのバックアップを取っておいてください。
よくある質問と解決策

まとめ:安心・快適なモバイルアップデートのために

Wi-Fi環境がなくても、モバイルデータ通信を活用することで、Androidスマートフォンを最新の状態に保つことができます。本記事で解説したポイントを参考に、効率的かつ安全にアップデートを行いましょう。
基本知識を理解し、お使いのキャリアや機種に合わせた最適な設定を行うことが重要です。データ通信量を節約する工夫をしながら、トラブルが発生した場合の対処法も知っておくと安心です。
定期的なアップデートは、セキュリティ強化や新機能の追加など、スマートフォンを快適に使い続けるために重要です。Wi-Fi環境がなくても、本記事の方法を活用して、いつでもAndroidを最新の状態に保ちましょう。
最後に、大型アップデートの前には必ず重要なデータのバックアップを行うことをおすすめします。 万が一の場合に備えて、Googleアカウントの同期設定やGoogle フォト、Google ドライブなどのクラウドサービスを活用して、大切なデータを保護しましょう。このガイドを参考に、いつでもどこでも安全かつ効率的にAndroidをアップデートしてください。