- 修復・リセット・再インストールで9割以上の問題が解決
- メモリ不足はアプリ不具合が原因で実際の容量は無関係なケースが多い
- ファイル破損や対応形式の確認も重要な解決ステップ
Windowsで写真を開こうとしたとき、突然フォトアプリが起動しなくなった経験はありませんか?「アプリが開始されませんでした」というエラーや、メモリ不足の警告が表示されて困っている方も多いでしょう。
この記事では、Windowsフォトが開かない原因と、すぐに試せる解決策を詳しく解説します。Windows11とWindows10の両方に対応した手順をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
Windowsフォトが開かない主な原因
Windowsフォトアプリが正常に動作しない原因は複数あります。まずは代表的な原因を理解しておきましょう。
フォトアプリの一時的な不具合
最も多いのがアプリ自体の一時的なエラーです。2024年6月にはWindows11でフォトアプリが開かない問題が発生し、7月のアップデートで解消されたケースもあります。アプリのキャッシュデータが蓄積されたり、設定情報に問題が生じたりすると、起動時にクラッシュすることがあります。
この場合、アプリの再起動や修復機能を使うことで、多くの問題が解決します。システムを再起動するだけでも、メモリがリセットされて正常に戻ることがあります。
バージョンが古い・アップデート不足
Windowsのアップデートを長期間行っていないと、フォトアプリのバージョンが古いままになり、最新の画像形式に対応できなかったり、セキュリティ上の問題が発生したりします。
Microsoft Storeから最新版のフォトアプリに更新することで、新機能や不具合修正が適用され、開かない問題が解消されるケースが多くあります。定期的なアップデートは、トラブル予防にも効果的です。
写真ファイル自体の破損
ダウンロード時のエラーや、保存中の電源断、ストレージの物理的な問題などにより、画像ファイルが破損することがあります。破損したファイルは、どのアプリでも正常に開けません。
この場合は、他のアプリ(ペイントやサードパーティの画像ビューア)でも開けるかどうか確認し、開けない場合はファイル修復ツールを使用するか、バックアップから復元する必要があります。
メモリ不足・ストレージ容量不足
「利用できる十分なメモリがない可能性があります」というエラーメッセージが表示されることがあります。しかし実際には、物理的なメモリ不足ではなく、アプリ内部の処理エラーや設定の問題であることが多いです。
特にICCプロファイル(色管理設定)の不具合や、大容量の画像ファイル(100メガピクセル超)を開こうとした場合に、このエラーが発生しやすくなります。不要なアプリを閉じたり、ディスクの空き容量を確保したりすることで改善されることもあります。
対応していないファイル形式
Windowsフォトアプリは、JPG、PNG、GIF、BMP、TIFFなどの一般的な画像形式には対応していますが、RAW形式やHEIC形式、WEBP形式など、特殊な形式には標準では対応していません。
拡張子が正しくない場合や、ファイル名に特殊文字が含まれている場合も、開けないことがあります。ファイル形式を確認し、必要に応じてJPGやPNGに変換することで解決します。
発生頻度の高いエラーパターン
Windowsフォトが開かないとき、どのようなエラーメッセージが表示されるかによって、原因と対処法が異なります。代表的なパターンを見ていきましょう。
このグラフが示すように、アプリ起動失敗とメモリ不足エラーで全体の6割を占めています。これらはほとんどの場合、フォトアプリ自体の問題であり、修復・リセット・再インストールで解決できます。ファイル形式エラーやファイル破損は、画像ファイル側に問題があるケースです。
【即効】すぐに試したい基本的な対処法
まずは簡単にできる対処法から試してみましょう。これらの方法で、多くの問題が解決します。
1. フォトアプリを再起動する
最もシンプルで効果的な方法です。一時的な不具合であれば、再起動だけで改善することがあります。
手順:
フォトアプリを完全に閉じます。タスクバーの何もない部分を右クリックし、「タスクマネージャー」を選択します。
「プロセス」タブで「Microsoft フォト」を探し、右クリックして「タスクの終了」を選択します。
再度フォトアプリを起動して、写真が開けるか確認します。
2. パソコンを再起動する
メモリやシステムリソースがリセットされ、様々な不具合が解消されることがあります。特にパソコンを長時間起動し続けている場合は、再起動するだけで問題が解決することが多いです。
スタートメニューから「電源」→「再起動」を選択し、再起動後に写真が開けるか確認してください。
3. 他のアプリで写真を開いてみる
問題がフォトアプリにあるのか、写真ファイルにあるのかを切り分けるために、他のアプリで開いてみましょう。
写真ファイルを右クリックし、「プログラムから開く」を選択します。「ペイント」や「Windowsフォトビューアー」を選んで開いてみます。
他のアプリで開ける場合は、フォトアプリに問題があると判断できます。逆に他のアプリでも開けない場合は、写真ファイル自体が破損している可能性が高いです。
4. 写真ファイルの拡張子を確認する
ファイル形式が正しいか確認します。エクスプローラーで「表示」タブをクリックし、「ファイル名拡張子」にチェックを入れます。
写真ファイルの拡張子が「.jpg」「.jpeg」「.png」などになっているか確認します。拡張子が間違っている場合は、ファイル名を変更して正しい拡張子に修正してください。
フォトアプリの修復とリセット【Windows11/10共通】
基本的な対処法で解決しない場合は、フォトアプリ自体を修復またはリセットします。この方法は、設定やデータを残したまま問題を解決できるため、非常に有効です。
フォトアプリを修復する方法
修復機能は、アプリのデータや設定を保持したまま、プログラムの問題を自動的に修正します。
手順(Windows11の場合):
スタートボタンをクリックし、「設定」(歯車アイコン)を選択します。
左側のメニューから「アプリ」をクリックし、「インストールされているアプリ」を選択します。
一覧から「Microsoft フォト」を探し、右側の「…」(三点リーダー)をクリックして「詳細オプション」を選択します。
下にスクロールして「修復」ボタンをクリックします。修復が完了したら、フォトアプリを起動して動作を確認します。
手順(Windows10の場合):
スタートボタンをクリックし、「設定」(歯車アイコン)を選択します。
「アプリ」をクリックし、一覧から「Microsoft フォト」を探してクリックします。
「詳細オプション」をクリックし、「修復」ボタンをクリックします。
フォトアプリをリセットする方法
修復で解決しない場合は、リセットを試します。リセットすると、アプリの設定やキャッシュが初期化されますが、保存している写真自体は削除されません。
上記の「詳細オプション」画面で、「修復」ボタンの下にある「リセット」ボタンをクリックします。
確認メッセージが表示されるので、もう一度「リセット」をクリックします。リセットが完了したら、フォトアプリを起動して写真が開けるか確認します。
多くの場合、修復またはリセットで問題が解決します。それでも改善しない場合は、次の手順に進みます。
Windows11でフォトを再インストールする方法
修復・リセットでも解決しない場合は、フォトアプリを完全に削除して再インストールします。Windows11では、通常のアンインストール方法では削除できないため、Windowsターミナル(PowerShell)を使用します。
ステップ1:フォトアプリをアンインストールする
タスクバーのスタートボタンを右クリックし、「Windowsターミナル(管理者)」を選択します。
ユーザーアカウント制御の画面が表示されたら、「はい」をクリックします。
ターミナルが起動したら、以下のコマンドをコピーして貼り付け、Enterキーを押します。
get-appxpackage *Microsoft.Windows.Photos* | remove-appxpackage
処理が完了したら、ターミナルを閉じます。パソコンを再起動してください。
ステップ2:フォトアプリを再インストールする
スタートメニューから「Microsoft Store」を開きます。
検索ボックスに「Microsoft フォト」と入力して検索します。
「Microsoft フォト」のページが表示されたら、「入手」または「インストール」ボタンをクリックします。
インストールが完了したら、フォトアプリを起動して写真が開けるか確認します。
再インストールすることで、アプリの不具合が完全にクリアされ、ほとんどの問題が解決します。
Windows10でフォトを再インストールする方法
Windows10でも、基本的な手順はWindows11と同じです。PowerShellを使用してアンインストールし、Microsoft Storeから再インストールします。
ステップ1:PowerShellでアンインストール
スタートボタンを右クリックし、「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
ユーザーアカウント制御の画面で「はい」をクリックします。
以下のコマンドを入力してEnterキーを押します。
get-appxpackage *Microsoft.Windows.Photos* | remove-appxpackage
処理が終わったら、PowerShellを閉じて、パソコンを再起動します。
ステップ2:Microsoft Storeから再インストール
スタートメニューから「Microsoft Store」を起動します。
「Microsoft フォト」を検索し、「入手」ボタンをクリックしてインストールします。
インストール完了後、フォトアプリを開いて動作を確認してください。
メモリ不足エラーが表示される場合の対処法
「利用できる十分なメモリがない可能性があります」というエラーメッセージが表示される場合、実際にはメモリ容量の問題ではないことが多いです。以下の方法を試してみましょう。
不要なアプリを閉じる
複数のアプリを同時に起動していると、システムメモリが圧迫されることがあります。タスクマネージャーを開き、使用していないアプリを終了させてから、もう一度フォトアプリを起動してみてください。
特に、ブラウザで多数のタブを開いている場合や、動画編集ソフトなどのメモリを大量に消費するアプリを起動している場合は、それらを閉じることで改善されることがあります。
ディスクの空き容量を確保する
ストレージの空き容量が不足していると、一時ファイルの保存ができず、フォトアプリが正常に動作しないことがあります。
エクスプローラーで「PC」を開き、Cドライブの空き容量を確認します。赤色で表示されている場合は、容量不足です。
不要なファイルやアプリを削除します。スタートメニューから「設定」→「システム」→「記憶域」を開き、「一時ファイル」を削除することで、数GB以上の空き容量を確保できます。
ICCプロファイルの問題を解決する
スマートフォンで撮影した写真など、特定のICCプロファイル(色管理設定)を持つ画像ファイルで、メモリ不足エラーが発生することがあります。これはWindowsの色管理設定が原因で、実際のメモリ容量とは無関係です。
解決方法:
スタートボタンを右クリックし、「設定」を選択します。
「システム」→「ディスプレイ」→「ディスプレイの詳細設定」を開きます。
「ディスプレイ1のアダプターのプロパティを表示します」をクリックし、「色の管理」タブを選択します。
「色の管理」ボタンをクリックし、デバイスプロファイルを「sRGB IEC61966-2.1」に設定します。
設定を適用してからフォトアプリを再起動すると、メモリ不足エラーが解消されることがあります。
画像ファイルのサイズを確認する
100メガピクセルを超える超高解像度の画像ファイルは、フォトアプリで正常に表示できないことがあります。ファイルサイズが異常に大きい場合は、画像編集ソフトでリサイズしてから開いてみてください。
JPGファイルが開かない場合の特別な対処法
JPGファイルに限定して開かない問題が発生している場合、ファイル形式の関連付けや、拡張子の問題が考えられます。
既定のアプリを再設定する
JPGファイルを開くアプリが正しく設定されていない可能性があります。
スタートメニューから「設定」→「アプリ」→「既定のアプリ」を開きます。
「ファイルの種類ごとに既定のアプリを選ぶ」をクリックします。
「.jpg」と「.jpeg」を検索し、既定のアプリが「フォト」になっているか確認します。なっていない場合は、「フォト」に変更してください。
ピクチャライブラリをリセットする
ピクチャライブラリの設定に問題がある場合、JPGファイルが開かないことがあります。
スタートボタンを右クリックし、「ファイル名を指定して実行」を選択します。
「shell:Libraries」と入力してOKをクリックします。
「ピクチャ」を右クリックして「プロパティ」を選択します。
「ライブラリの場所」欄に表示されているものをすべて削除し、「既定値に戻す」ボタンをクリックします。
これにより、ピクチャライブラリが初期状態に戻り、JPGファイルが正常に開けるようになることがあります。
ファイル破損時の対処法と修復ツール
写真ファイル自体が破損している場合、フォトアプリだけでなく他のアプリでも開けません。この場合は、専用の修復ツールを使用するか、バックアップから復元します。
他のアプリで確認する
まず、ペイントやWindowsフォトビューアー、サードパーティの画像ビューアで開いてみます。他のアプリでも開けない場合は、ファイルが破損していると判断できます。
バックアップから復元する
クラウドサービス(OneDrive、Googleフォトなど)や外付けHDDにバックアップがある場合は、そちらから写真を復元します。バックアップ側のファイルが正常であれば、元の場所にコピーして使用できます。
ファイル修復ツールを使用する
破損した画像ファイルを修復できる専用ツールがあります。代表的なものとして、以下のようなツールがあります。
Stellar Photo Repair:JPG、JPEG、PNG、TIFFなどの画像形式に対応した修復ツールです。
4DDiG File Repair:破損した写真を簡単な操作で修復できるツールで、初心者にも使いやすいインターフェースが特徴です。
JPEG Repair Toolkit:JPEG形式の画像ファイル専用の修復ツールです。
これらのツールを使用する場合は、元のファイルをバックアップしてから作業することをおすすめします。修復に失敗すると、データがさらに破損する可能性があるためです。
代替アプリの紹介と既定アプリの変更方法
フォトアプリの問題が解決しない場合や、別の画像ビューアを使いたい場合は、代替アプリを検討しましょう。
おすすめの代替アプリ
| アプリ名 | 特徴 | 価格 |
|---|---|---|
| IrfanView | 軽量で高速、多数の画像形式に対応 | 無料 |
| XnView | 500以上の形式に対応、編集機能も充実 | 無料 |
| FastStone Image Viewer | 直感的な操作、RAW形式にも対応 | 無料 |
| Windowsフォトビューアー | Windows標準、シンプルで軽量 | 無料(Windows標準) |
| Honeyview | 高速表示、アーカイブ内の画像も閲覧可能 | 無料 |
これらのアプリは、フォトアプリよりも軽量で高速に動作することが多く、対応する画像形式も豊富です。特にIrfanViewとXnViewは、長年多くのユーザーに愛用されている定番アプリです。
既定のアプリを変更する方法
代替アプリをインストールしたら、画像ファイルを開く既定のアプリを変更します。
スタートメニューから「設定」→「アプリ」→「既定のアプリ」を開きます。
「フォトビューアー」の項目をクリックし、使用したいアプリを選択します。
特定の拡張子だけ変更したい場合は、「ファイルの種類ごとに既定のアプリを選ぶ」から、「.jpg」「.png」などの拡張子ごとに設定します。
Windows11とWindows10の対処法の違い
基本的な対処法は共通ですが、設定画面の操作方法やアプリの場所に違いがあります。
このレーダーチャートが示すように、Windows11は設定画面が一新されたことで、一部の項目が見つけにくくなっていますが、修復機能の成功率は向上しています。Windows10は長年の実績があり、手順が安定していることが特徴です。
主な違い:
Windows11:「Windowsターミナル(管理者)」を使用してアンインストールします。設定画面は「インストールされているアプリ」から操作します。
Windows10:「Windows PowerShell(管理者)」を使用します。設定画面は「アプリ」から直接アクセスできます。
どちらのバージョンでも、基本的な解決手順は同じなので、この記事で紹介した方法を順番に試してみてください。
まとめ
Windowsフォトが開かない問題は、アプリの修復・リセット・再インストールで解決できることがほとんどです。メモリ不足エラーの多くは、実際のメモリ容量ではなくアプリ内部の問題が原因です。
この記事で紹介した対処法を順番に試すことで、ほぼすべての問題を解決できます。それでも改善しない場合は、代替アプリの使用や、ファイル修復ツールの利用を検討してください。
定期的なWindowsアップデートとアプリの更新を行うことで、今後のトラブルを予防できます。大切な写真を安心して閲覧できる環境を整えましょう。
