- 0101はアメリカへの国際電話番号で、詐欺に悪用されている
- 2024年にサポート詐欺が前年比2.6倍に急増、被害額は4億円超
- 電話してしまっても冷静な対処で被害は最小限に抑えられる

パソコンの画面に突然「トロイの木馬に感染しました」という警告が表示され、0101から始まる電話番号に連絡するよう促される——そんな経験をした方が2024年に急増しています。この0101番号、実は国際電話を意味する番号で、詐欺グループが巧妙に悪用しているんです。
本記事では、0101から始まる電話番号の正体から最新の詐欺手口、そして万が一電話してしまった場合の対処法まで、実際のデータと事例を交えながら徹底解説します。
0101から始まる電話番号の正体とは
0101は「010(国際電話識別番号)」+「1(アメリカの国番号)」を組み合わせた番号で、日本からアメリカやカナダへ国際電話をかける際に使用される番号です。
本来、ビジネスや個人が海外と連絡を取るために使う正規の番号なのですが、最近では詐欺グループがこの番号を悪用するケースが激増しています。なぜなら、国際電話は発信元の特定が難しく、本人確認も不要なため、詐欺師にとって都合が良いからです。
ちなみに、0101の後には通常10桁程度の番号が続き、全体で14桁前後になることが多いです。例えば「0101-844-XXX-XXXX」のような形式で表示されます。
上記のグラフが示すように、0101番号は国際電話の基本構造に従っており、最初の3桁が国際識別番号、次の1桁が国番号、そして残りが相手先の電話番号となっています。この構造を理解しておくだけで、不審な電話を見分ける第一歩になります。
なぜ2024年に0101詐欺が急増したのか
2024年、国際電話を使った詐欺が爆発的に増加しました。警察庁のデータによると、国際電話番号を使った特殊詐欺は2023年夏以降に急増しており、その背景には明確な理由があります。
2023年6月、従来詐欺に多用されていた050番号(IP電話)の契約時に本人確認が義務化される方針が発表され、2024年4月に正式に施行されました。これにより、詐欺グループは身元がバレやすくなった050番号を避け、本人確認不要の国際電話番号へと乗り換えたのです。
上記のグラフからも明らかなように、2023年中頃の法規制発表を境に、国際電話を使った詐欺が急激に増加していることが分かります。さらに、セキュリティ企業トレンドマイクロの調査では、サポート詐欺サイトへのアクセスが2023年に年間900万件以上を記録し、2024年には前年比2.6倍に増加しました。
被害額も深刻です。2024年の架空料金請求詐欺全体の被害額は133.8億円に達し、そのうちサポート詐欺だけで10億円を超える被害が発生しています。消費者庁への相談だけでも2023年度に被害総額4億7000万円が報告されており、実際の被害はさらに大きいと推測されます。
0101詐欺の典型的な手口「サポート詐欺」とは
0101番号を使った詐欺で最も多いのが「サポート詐欺」です。この手口、本当に巧妙で、パソコンに詳しくない方なら誰でも騙される可能性があります。
典型的なサポート詐欺の流れは次の通りです。まず、普通にインターネットを閲覧していると、突然画面全体に「トロイの木馬に感染しました」「Windowsセキュリティ警告」といった恐怖を煽る警告が表示されます。
この警告画面は非常にリアルで、マイクロソフトのロゴや実際のIPアドレス、プロバイダー名まで表示されるため、本物だと信じてしまう人が続出しています。さらに、けたたましい警告音や「コンピュータのロック解除をするにはすぐにサポートに連絡してください」という音声が流れ、パニック状態に陥らせます。
上記の図が示す通り、サポート詐欺は段階的に被害者を追い込んでいきます。特に危険なのがステップ3以降で、遠隔操作ソフト(AnyDesk、TeamViewerなど)をインストールさせられると、詐欺師があなたのパソコンを自由に操作できるようになってしまいます。
電話に出ると、片言の日本語を話す外国人が「マイクロソフトのジェイコブです」「あなたのパソコンは危険な状態です」などと名乗り、緊急性を演出してきます。そして、「今すぐ対処しないとデータが全て消えます」と脅しながら、遠隔操作ソフトのインストールを指示してくるのです。
0101に電話してしまったらどうなる?被害の実態
もし0101番号に電話してしまった場合、どんな被害が待っているのでしょうか。実際の被害事例を見ていきましょう。
金銭的被害のパターン
最も多いのが電子マネーでの支払いです。「ウイルス除去費用として5万円必要です」「コンビニでAmazonギフトカードを購入してください」といった指示を受け、カード番号を教えてしまうケースが後を絶ちません。
さらに深刻なのが、インターネットバンキングを悪用した不正送金です。遠隔操作中に勝手にネットバンキングにログインされ、被害者が気づかないうちに数十万円から100万円以上が送金されてしまう事例も報告されています。
このグラフが示すように、被害額は5〜20万円のケースが最も多いですが、100万円を超える高額被害も決して珍しくありません。実際、2023年には107万円の被害事例も報道されました。
個人情報漏洩のリスク
金銭被害だけではありません。遠隔操作されたパソコンからは、保存されているパスワード、クレジットカード情報、メールアドレス、住所録など、あらゆる個人情報が盗まれる可能性があります。
さらに、盗まれた情報は他の詐欺に転用されたり、ダークウェブで売買されたりするため、被害が長期化するケースもあります。実際、サポート詐欺の被害者に対して、数ヶ月後に再び詐欺の電話がかかってくる「二次被害」も報告されています。
0101への電話料金はいくらかかる?
詐欺被害とは別に、国際電話そのものの料金も心配ですよね。0101から始まる番号はアメリカへの国際電話なので、通話料金は国内通話とは比較にならないほど高額です。
NTTドコモの場合、アメリカへの国際電話料金は30秒あたり約68円です。つまり、1分で約136円、10分話せば1,360円、30分だと4,080円もかかってしまいます。
| 通話時間 | 料金(NTTドコモの場合) | 料金(固定電話の場合) |
|---|---|---|
| 30秒 | 約68円 | 約30円 |
| 1分 | 約136円 | 約60円 |
| 5分 | 約680円 | 約300円 |
| 10分 | 約1,360円 | 約600円 |
| 30分 | 約4,080円 | 約1,800円 |
| 1時間 | 約8,160円 | 約3,600円 |
上記の表が示すように、たった10分の通話でも1,000円以上かかってしまいます。詐欺グループは故意に通話時間を引き延ばすため、気づいたら数千円の通話料が発生していた、というケースも珍しくありません。
ただし、通話料金だけなら数千円程度で済みますが、問題は電話をかけた後の詐欺被害です。通話料金を心配するよりも、詐欺そのものを避けることが何より重要です。
0101詐欺電話を見分ける7つのサイン
詐欺電話には共通する特徴があります。以下の7つのサインのうち、ひとつでも当てはまれば詐欺の可能性が極めて高いです。
特に注意すべきは「1番を押してください」という指示です。これに従うと自動的に国際電話に接続され、高額な通話料が発生するだけでなく、詐欺グループに直接つながってしまいます。
また、マイクロソフトやNTTファイナンスなどの実在企業を騙るケースも激増しています。しかし、これらの企業は公式見解として「国際電話で連絡することは絶対にない」と明言しています。つまり、0101から始まる番号でこれらの企業名を名乗る電話は、100%詐欺だと断言できます。
0101に電話してしまった!今すぐやるべき対処法
もし既に0101番号に電話してしまった場合でも、適切な対処をすれば被害を最小限に抑えられます。パニックにならず、以下の手順を実行してください。
【ケース1】電話しただけで何も操作していない場合
電話番号に発信しただけで、相手の指示に従っていない段階なら、被害は通話料金のみで済みます。この場合の対処法は次の通りです。
- すぐに電話を切る:相手が何を言っても、一切応じずに即座に通話を終了してください。
- 折り返し電話は絶対にしない:後から折り返し電話がかかってきても、絶対に出ないでください。
- 着信拒否設定:該当番号を着信拒否リストに追加しましょう。
- 通話料金の確認:次回の電話料金明細で国際電話料金を確認し、不審な高額請求があればキャリアに相談してください。
この段階であれば、金銭的被害は数千円程度の通話料金で済むため、過度に心配する必要はありません。
【ケース2】遠隔操作ソフトをインストールしてしまった場合
これが最も危険なケースです。遠隔操作ソフト(AnyDesk、TeamViewer、UltraViewerなど)をインストールしてしまった場合は、即座に以下の対処を行ってください。
🚨 緊急対処手順(遠隔操作ソフトをインストールした場合)
- すぐにインターネット接続を切断:Wi-Fiをオフにするか、LANケーブルを抜いてください。これで遠隔操作を物理的に遮断できます。
- 遠隔操作ソフトをアンインストール:「設定」→「アプリ」から該当ソフトを削除してください。AnyDesk、TeamViewer、UltraViewerなどが代表例です。
- すべてのパスワードを変更:メール、SNS、銀行、クレジットカード会社など、すべてのアカウントのパスワードを別のデバイスから変更してください。
- 銀行・カード会社に連絡:不正利用がないか確認し、必要に応じてカード停止や口座凍結を依頼してください。
- ウイルススキャン実施:信頼できるセキュリティソフトでフルスキャンを実行してください。
- 警察に相談:最寄りの警察署または警察相談専用窓口(#9110)に被害を報告してください。
- 専門業者に相談を検討:不安が残る場合は、PCのフォレンジック調査を専門とする業者に相談することも選択肢です。
【ケース3】お金を支払ってしまった場合
電子マネーやネットバンキングで送金してしまった場合は、被害回復は難しいですが、以下の対応を取ることで被害拡大を防げる可能性があります。
- 警察に被害届を提出:最寄りの警察署で被害届を出してください。詐欺事件として捜査が開始されます。
- 消費生活センターに相談:消費者ホットライン188に電話し、専門の相談員からアドバイスを受けてください。
- 銀行・カード会社に連絡:不正利用の疑いがある取引を報告し、可能であれば取引の取り消しを依頼してください。ネットバンキングの場合、送金直後であれば組戻しが可能なケースもあります。
- 電子マネー発行会社に連絡:Amazonギフトカードなどの場合、カード番号が使用される前であれば無効化できる可能性があります。
- 証拠の保全:通話履歴、メール、画面のスクリーンショットなど、詐欺の証拠となるものをすべて保存してください。
残念ながら、一度送金してしまったお金を取り戻すのは非常に困難です。しかし、警察に届け出ることで詐欺グループの摘発につながる可能性があり、また同様の被害者を減らすことにも貢献できます。
0101詐欺を未然に防ぐ7つの予防策
詐欺被害に遭わないためには、事前の対策が何より重要です。以下の7つの予防策を実践すれば、0101詐欺のリスクを大幅に減らせます。
上記のグラフからも分かるように、重要度が高い対策ほど実施率が低い傾向にあります。特に国際電話着信拒否は最も効果的な対策ですが、実施率はわずか35%程度です。以下、具体的な設定方法を解説します。
予防策1:国際電話の着信拒否設定
国際電話を使う予定がない方は、キャリアに連絡して国際電話の発着信を無料で休止できます。これが最も確実な予防策です。
- NTTドコモ:My docomoまたは151(無料)に電話
- au/UQ mobile:My auまたは157(無料)に電話
- ソフトバンク:My SoftBankまたは157(無料)に電話
- 固定電話(NTT東西):国際電話不取扱受付センター 0120-210-364
予防策2:迷惑電話対策アプリの導入
スマートフォンには、詐欺電話を自動検知してブロックするアプリがあります。代表的なものは以下の通りです。
- Whoscall:世界中の詐欺電話データベースと照合
- トレンドマイクロ 詐欺バスター:AI搭載で新手の詐欺にも対応
- トビラフォン:迷惑電話フィルタリング機能
これらのアプリは、着信時に「詐欺の疑いあり」と警告を表示してくれるため、うっかり出てしまうリスクを減らせます。
予防策3:PCのセキュリティ設定を強化
サポート詐欺の入口は、ほとんどがブラウザの偽警告です。以下の設定で予防できます。
- Windows Defenderをオンにする:「設定」→「更新とセキュリティ」→「Windowsセキュリティ」でリアルタイム保護を有効化
- ブラウザの通知を無効化:Chrome/Edgeの「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「サイトの設定」→「通知」で不審なサイトの通知を削除
- 広告ブロッカーを導入:uBlock OriginやAdGuardなどの拡張機能で不正広告をブロック
- ポップアップブロックを有効化:ブラウザの設定でポップアップを自動ブロック
予防策4:家族、特に高齢者への啓発
サポート詐欺の被害者は、実は高齢者だけではありません。パソコンに詳しくない方なら誰でも標的になります。しかし、特に注意が必要なのは高齢者です。
家族や友人に以下のことを伝えましょう。
- 「画面に電話番号が出たら絶対に電話しないで、まず家族に相談する」
- 「0101や+から始まる番号は国際電話で詐欺の可能性が高い」
- 「お金の話が出たら一旦電話を切って考える時間を作る」
- 「恥ずかしいことではないので、何かあったらすぐに相談してほしい」
これらのルールを紙に書いて、パソコンの近くに貼っておくのも効果的です。
マイクロソフトを騙る詐欺の特徴

0101詐欺の中でも特に多いのが、マイクロソフトを装ったサポート詐欺です。この手口の特徴を理解しておくことで、被害を防げます。
まず大前提として、マイクロソフトは絶対に以下のことをしません。
- ユーザーに一方的に電話をかけること
- エラーメッセージや警告メッセージに電話番号を記載すること
- 国際電話(0101や+番号)で連絡すること
- 遠隔操作ソフトのインストールを求めること
- ビットコインやギフトカードでの支払いを要求すること
- 社員証を画面に表示すること
つまり、これらの行動のうちひとつでも該当すれば、それは100%詐欺です。本物のマイクロソフトからサポートを受けたい場合は、自分で公式サイト(https://support.microsoft.com/ja-jp)にアクセスして問い合わせてください。
また、詐欺グループは片言の日本語を話すことが多いです。「ジェイコブです」「マイク・スミスです」など、英語圏の名前を名乗りながら日本語で対応してくる場合は、ほぼ確実に詐欺だと判断できます。
14桁の0101番号の正体

「0101で始まる14桁の電話番号」という検索をする方が多いですが、これは0101+アメリカの市外局番+相手先番号の組み合わせです。
例えば「0101-844-XXX-XXXX」という番号の場合、844はアメリカのトールフリー番号(日本でいうフリーダイヤル)を示す市外局番です。詐欺グループは、フリーダイヤルのような番号を使うことで、被害者に「無料で相談できる公式サポート」だと錯覚させようとしています。
しかし、実際には国際電話なので通話料金は有料です。フリーダイヤル風の番号を使うのは、被害者を油断させるための巧妙な手口なのです。
まとめ:冷静な対処が被害を防ぐ
0101から始まる電話番号は、アメリカへの国際電話を意味する正規の番号ですが、2024年現在、詐欺グループに悪用されるケースが急増しています。
特にサポート詐欺では、偽の警告画面とけたたましい警告音で被害者をパニック状態に陥れ、冷静な判断を奪おうとしてきます。しかし、落ち着いて対処すれば被害は防げます。
もし画面に警告が表示されても、記載された電話番号には絶対に連絡せず、Ctrl+Alt+Deleteでブラウザを強制終了してください。万が一電話してしまった場合でも、遠隔操作ソフトをインストールする前に気づけば、被害は最小限に抑えられます。
そして何より大切なのは、事前の予防策です。国際電話の着信拒否設定や迷惑電話対策アプリの導入、家族への啓発など、できることから始めましょう。詐欺の手口を知ることが、最大の防御になります。
