スマホ充電を90%で止める完全ガイド:バッテリー寿命を延ばす最適な設定方法

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ポイント
  • リチウムイオン電池の劣化を防ぐためには充電を90%で止めることが効果的で、満充電(100%)に比べてバッテリー寿命が1.5倍程度延びるとされている
  • iPhone、Galaxy、Xperia、AQUOSなど主要スマホには充電を制限する機能が標準搭載されており、設定をオンにするだけで簡単に過充電を防止できる
  • バッテリーを長持ちさせるには充電制限だけでなく、高温環境での使用を避ける、「ながら充電」をしない、純正充電器を使用するなどの総合的な対策が重要

参照:iPhoneの充電上限とバッテリー充電の最適化について – Apple サポート (日本)

スマホ充電 90 で止める
目次

スマホバッテリーの劣化を防ぐ基本知識

スマホバッテリーの劣化を防ぐ基本知識

スマートフォンは私たちの生活に欠かせないツールとなっていますが、多くのユーザーが「以前より充電の減りが早くなった」と感じる瞬間が訪れます。

それはバッテリーの劣化が進んでいるサインかもしれません。スマホに搭載されているリチウムイオン電池は、優れた性能を持つ一方で、使い方によっては劣化が加速してしまう特性があります。

リチウムイオン電池の仕組みと特性

現在のスマートフォンには軽量で大容量、急速充電にも対応したリチウムイオン電池が採用されています。この電池は、金属内のリチウムイオンが電解液を通じてプラス極からマイナス極へ移動することで充電する仕組みです。

しかし、経年劣化は避けられないものであり、約300回程度の充電サイクルで劣化の兆候が現れ始め、400〜500回に達すると容量が50〜70%程度まで低下することがあります。

バッテリー劣化の主な原因

バッテリー劣化には主に三つの要因があります。まず「充電サイクル」によるものです。これは充電回数そのものではなく、バッテリー容量100%に相当する電力を充電することを1回とカウントします。

次に「過充電」による劣化です。電池の残量が0%(完全放電)や100%(満充電)の状態が続くと急速に劣化が進みます。そして「高温環境」による劣化です。リチウムイオン電池は約45℃を超える環境に弱く、高温下では電池内部の化学反応が加速し、劣化を早めます。

バッテリーを長持ちさせるためには、これらの劣化要因を理解し、適切な充電習慣を身につけることが重要です。

充電を90%で止めるべき理由とそのメリット

充電を90%で止めるべき理由とそのメリット

90%充電の科学的根拠

多くのスマートフォンメーカーやキャリアが推奨しているのが、「残量が20%程度になったら充電を始め、80〜90%程度で充電を終える」という方法です。NTTドコモによれば、バッテリーを使い切ってからの充電はバッテリーを劣化させる要因となり、同様に常に満充電状態に保つことも好ましくないと指摘しています。

日本経済新聞の記事では、バッテリーの充電を80%で止めることで満充電と比較して寿命が1.5倍も延びるという報告もあります。

リチウムイオン電池の劣化機序では、バッテリーの電圧がおよそ3.92V(約80%の充電レベル)付近で最初の劣化が始まり、90%を超えるとさらに劣化が進むとされています。このことから、理論的には80%で止めるのが最も効果的ですが、日常的な使いやすさと劣化防止のバランスを考えると、90%での充電停止が実用的な選択となります。

80%と90%の違い

充電を80%で止めるか90%で止めるかには、バッテリー寿命への影響に若干の違いがあります。80%で停止すれば劣化をより抑制できますが、90%でも十分な効果があり、かつバッテリー持続時間の確保という点で優れています。

80%以下で充電を停止すると、使用可能時間が短くなり、頻繁な充電が必要になる可能性があります。つまり、日常生活での利便性と長期的なバッテリー寿命のバランスを考えると、90%での充電停止が多くのユーザーにとって理想的な選択と言えるでしょう。

iPhone充電を90%で止める設定方法

iPhone充電を90%で止める設定方法

バッテリー充電の最適化機能について

iOSでは「バッテリー充電の最適化」と呼ばれる機能が搭載されており、これによってフル充電したままの時間をなるべく短くすることでバッテリーの劣化を防ぎます。この機能はiPhoneの機械学習機能を活用し、ユーザーの日常的な充電パターンを学習します。

例えば、夜間に充電している場合は、まず80%まで充電した後、起床時間に合わせて残りの充電を行うことで、100%の状態で長時間放置する状況を避けるよう設計されています。

iOS 14以前のiPhoneでの設定方法

iOS 14以前のiPhoneでバッテリー充電の最適化を設定するには、以下の手順で行います:

  1. 「設定」アプリを開く
  2. 「バッテリー」を選択
  3. 「バッテリーの状態と充電」をタップ
  4. 「バッテリー充電の最適化」をオンにする

この設定により、iPhoneはユーザーの充電パターンを学習し、必要に応じて充電速度を調整するようになります。

iOS 15以降のiPhoneでの設定方法

iOS 15以降、特にiPhone 15シリーズではより細かい充電制御が可能になりました。設定方法は以下の通りです:

  1. 「設定」アプリを開く
  2. 「バッテリー」を選択
  3. 「充電」を選択
  4. 80%から100%まで5%刻みで充電上限を選択できる

iPhone 14モデル以前では、「設定」>「バッテリー」>「バッテリーの状態と充電」から「バッテリー充電の最適化」をオン/オフできます。

必要時に100%まで充電する方法

外出前など、一時的に100%まで充電したい場合は、充電中のロック画面に表示される「最適化されたバッテリー充電」の通知を長押しし、「今すぐ充電」を選択することで、一時的に最適化をバイパスして100%まで充電することが可能です。これにより、特別な状況では最大容量まで充電しつつ、通常時はバッテリーに優しい充電方法を維持できます。

Android端末で充電を90%で止める方法(機種別)

Android端末で充電を90%で止める方法(機種別)

Androidスマートフォンでも、機種によって充電を制限する機能が搭載されています。ここでは主要なメーカー別に設定方法を紹介します。

Pixel(ピクセル)シリーズの設定

GoogleのPixelシリーズでは「アダプティブ充電」機能が搭載されています。Pixel 4a以降のモデルでは、ユーザーの充電パターンを学習して充電速度を調整します。また、明示的に充電を80%に制限する機能も提供されています。

設定方法

  1. 「設定」から「バッテリー」を開く
  2. 「アダプティブ充電」を確認(通常はデフォルトでオン)
  3. 一部のモデルでは「充電を80%に制限する」オプションも選択可能

Galaxy(ギャラクシー)シリーズの設定

Samsungのギャラクシーシリーズには「バッテリーを保護」機能があり、充電を85%で停止させることができます。他のスマートフォンと異なり、ギャラクシーは設定すると充電器を抜くまで85%以上には充電されません。

One UI 6.1以降のモデルでは、以下の3つの保護モードが用意されています:

  • 標準:100%充電後、95%に低下するまで充電を停止し、その後再開
  • 最適化:睡眠中は「最大」モードを使用し、起床前に「標準」モードに切り替え
  • 最大:バッテリー残量が80%に達すると充電を完全に停止

設定方法

  1. 設定アプリを開き「バッテリー」をタップ
  2. 「バッテリーを保護」をタップ
  3. スイッチをONにして、希望のオプションを選択

Xperia(エクスペリア)シリーズの設定

ソニーのXperiaシリーズには「いたわり充電」機能があり、バッテリーの負荷を軽減するための充電制御を行います。この機能は標準でオンになっており、通常は充電パターンに応じて自動的に制御されます。

いたわり充電には3つのモードがあります:

  • 自動:充電パターンを学習し、設定された時間内は90%充電に制限
  • 手動:ユーザーが指定した時間帯に90%充電に制限
  • 常時:充電容量を常に80%または90%に制限

設定方法

  1. 「設定」から「バッテリー」を選択
  2. 「いたわり充電」を選択
  3. 希望のモードを選択

AQUOS(アクオス)シリーズの設定

シャープのAQUOSシリーズには「インテリジェントチャージ」という機能が搭載されています。この機能を有効にすると、電池残量が90%付近になると充電を停止し、「ダイレクト給電」に切り替えることでバッテリーへの負担を軽減します。

設定方法

  1. ホーム画面から「設定」を開く
  2. 「電池」または「バッテリー」を選択
  3. 「インテリジェントチャージ」を選択
  4. 「最大充電量を変更」をONにする

ダイレクト給電中は電池への充電を停止し、ACアダプタから直接端末に電力を供給するため、バッテリーの劣化を抑えながら通常通り端末を使用できます。また「画面消灯中のみ充電」機能を併用することで、さらにバッテリーへの負担を軽減できます。

アプリとスマートデバイスを活用した充電管理

アプリとスマートデバイスを活用した充電管理

おすすめの過充電防止アプリ

スマートフォンの標準機能だけでは不十分な場合や、より細かい設定が必要な場合は、サードパーティのアプリを活用する方法があります。特に人気のあるアプリには以下のようなものがあります:

  1. AccuBattery:バッテリーの使用状況を詳細に分析し、充電中の電流を監視します。設定した充電レベル(例:80%や90%)に達すると通知を送り、過充電を防ぎます。また、バッテリーの健康状態も確認できるため、劣化の程度を把握するのに役立ちます。
  2. Battery Alarm:シンプルながら効果的なアプリで、設定した充電レベルに達するとアラーム音で通知します。設定が簡単で、バッテリー監視に特化しています。
  3. 充電完了の通知:充電が完了したことを知らせるアプリで、ユーザーが選択した音楽やアラーム音で通知します。充電レベルの設定も可能です。

これらのアプリは通知機能が中心であり、アプリだけでは充電を自動的に停止することはできませんつまり、通知を受け取った後は手動で充電ケーブルを抜く必要があります。これはAndroidのセキュリティ設計上、アプリに充電制御の権限が与えられていないためです。

スマートコンセントを活用した自動充電停止

アプリだけでは充電を自動停止できない問題を解決するために、スマートコンセントを組み合わせる方法があります。スマートコンセントとは、WiFiに接続して遠隔操作やスケジュール設定ができるコンセントのことです。

以下のようなセットアップが可能です:

  1. AccuBatteryなどの充電監視アプリをインストール
  2. スマートプラグ(例:Kasa Smart)とその専用アプリをセットアップ
  3. IFTTTアプリを使って両者を連携
  4. バッテリーが設定値(90%など)に達したら自動的にコンセントの電源をOFFにする自動化を設定

この方法のメリットは完全な自動化が可能な点で、特に就寝中の充電管理に役立ちます。ただし、初期設定がやや複雑である点や、追加機器の購入が必要な点、WiFi環境が必要な点などがデメリットとして挙げられます。

バッテリーを長持ちさせるための総合対策

バッテリーを長持ちさせるための総合対策

最適な充電習慣

バッテリーを長持ちさせるためには、適切な充電習慣を身につけることが重要です。主要な携帯キャリア4社の共通した推奨事項として、「20%程度になったら充電を始め、80〜90%程度で充電を終える」という方法が挙げられています。完全放電や過充電の状態を避けることで、バッテリーへの負荷を軽減できます。

また、長期間スマートフォンを使用しない場合は、電池残量を50〜80%程度にしてから保管することが望ましいとされています。リチウムイオン電池は、完全放電の状態や満充電の状態で長期保管すると急速に劣化するためです。

温度管理の重要性

リチウムイオン電池にとって温度管理は非常に重要です。高温環境はバッテリーの劣化を著しく加速させます。NTTドコモによれば、スマートフォンは周囲温度0℃〜35℃の範囲で使用するのが理想的とされています。

バッテリーの劣化を防ぐために注意すべき点:

  • 直射日光の当たる場所や車内などの高温環境に放置しない
  • 暖房器具の近くでの充電を避ける
  • 充電中は放熱を妨げるようなケースを外すか、熱がこもりにくい環境で充電する
  • 氷点下などの極端な低温環境での使用や充電も避ける

「ながら充電」を避ける

「ながら充電」とは、充電しながらスマートフォンを操作することを指し、特に高負荷なゲームや動画視聴などの活動は避けるべきです。充電中のスマートフォン使用は内部温度を上昇させ、バッテリーの劣化を加速させる原因となります。

充電中は発熱している状態であり、さらに使用によって発生する熱が加わることで、バッテリーに大きな負担がかかります。可能であれば、充電中はスマートフォンを使用せず、放熱しやすい場所に置いておくことが望ましいでしょう。冷却ファン付きの充電スタンドを利用するなどの対策も効果的です。

純正または高品質の充電器を使用する

充電器の品質もバッテリー寿命に大きく影響します。メーカー純正品や信頼できるブランドの充電器を使用することをお勧めします。安価な非純正品は適切な電圧や電流の制御が不十分で、電池に過度な負荷をかける可能性があります。

純正充電器には、異常温度を検知して充電を停止するなどの保護機能が備わっていることが多く、スマートフォン本体とバッテリーを守るために重要な役割を果たします。急速充電に対応した機種では、適切な急速充電器を使用することで、充電プロセスを最適化し、バッテリーへの負担を軽減できます。

FAQ:スマホ充電に関するよくある質問

FAQ
充電を90%で止めると、バッテリー持ちはどれくらい改善しますか?

日本経済新聞の記事によれば、バッテリーの充電を80%で止めることで、満充電と比較して寿命が約1.5倍延びるという報告があります。90%で止める場合も、100%まで充電するよりも明らかに寿命が延びますが、具体的な数値は機種やバッテリーの状態、使用環境によって異なります。

充電を90%で止めるとバッテリー持続時間が短くなりませんか?

確かに90%での充電停止は、100%充電と比較して1回あたりの使用可能時間は短くなります。しかし、長期的に見るとバッテリーの劣化が抑制されるため、1〜2年後のバッテリー持続時間は結果的に長くなることが多いです。日常的な使用パターンによっては、80%で止めると頻繁な充電が必要になる場合があるため、90%が実用的なバランスとして推奨されています。

夜間の充電はどうすればよいですか?

夜間充電の場合、多くのスマートフォンの「充電最適化」機能を活用するのが効果的です。iPhoneの「バッテリー充電の最適化」、Xperiaの「いたわり充電」、Galaxyの「バッテリーを保護」などの機能を有効にすると、就寝中の充電を自動で制御してくれます。これらの機能がない場合は、タイマー付きのスマートコンセントを使用するか、充電完了を通知するアプリを活用して、起床時に充電ケーブルを抜くという方法もあります。

アプリだけで充電を自動停止できますか?

残念ながら、セキュリティ上の制約から、アプリだけでスマートフォンの充電を自動的に停止することはできません。アプリでできるのは、設定した充電レベルに達したときに通知を送ることまでです。完全自動化を実現するには、スマートコンセントとの組み合わせが必要になります。

バッテリーの状態はどうやって確認できますか?

iPhoneでは「設定」→「バッテリー」→「バッテリーの状態と充電」から、最大容量とピークパフォーマンスの状況を確認できます。最大容量が80%を下回ると、劣化が進んでいると判断できます。Androidでは機種によって異なりますが、「設定」→「バッテリー」内に健康状態を確認できる項目があることが多いです。また、AccuBatteryなどのサードパーティアプリを使うことで、より詳細なバッテリー状態を確認できます。

バッテリー交換のタイミングはいつがよいですか?

一般的にバッテリーの最大容量が80%を下回ったときが交換の目安とされています。また、充電の減りが著しく早くなった、急に電源が切れる、バッテリーが膨張しているなどの症状がある場合は、すぐに交換を検討すべきです。スマートフォンを購入して2年以上経過している場合は、バッテリーの状態を定期的に確認することをお勧めします。

まとめ:スマホバッテリーを賢く長持ちさせよう

スマホバッテリーを賢く長持ちさせよう

スマートフォンのバッテリー劣化は避けられませんが、適切な充電習慣によってその進行を大幅に遅らせることができます。充電を90%で止めるという方法は、バッテリー寿命を延ばす効果的な方法の一つです。

スマホメーカー各社が提供している充電最適化機能(iPhoneの「バッテリー充電の最適化」、ギャラクシーの「バッテリーを保護」、エクスペリアの「いたわり充電」、アクオスの「インテリジェントチャージ」など)を活用することで、特別な操作をすることなく自動的にバッテリーに優しい充電を実現できます。

これらの機能がない場合や、より細かい制御が必要な場合は、充電通知アプリとスマートコンセントを組み合わせるなどの方法も効果的です。さらに、充電器の選択、温度管理、「ながら充電」の回避などの基本的な対策も忘れずに実践しましょう。

最適な充電習慣を身につけることで、スマートフォンの使用寿命を延ばし、バッテリー交換や買い替えの頻度を減らすことができます。結果として、経済的にもエコロジカルにもメリットがあります。毎日の小さな習慣の積み重ねが、長期的には大きな違いを生み出すのです。

スマートフォンは私たちの生活に欠かせないツールとなっています。そのバッテリーを長く健康に保つことで、いつでも必要なときに使える状態を維持しましょう。90%充電の習慣を今日から始めることで、あなたのスマートフォンも長く快適に使い続けることができるはずです。

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